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松波 紀明*; 福岡 修*; 志村 哲生*; 左高 正雄; 岡安 悟
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 230(1-4), p.507 - 511, 2005/04
被引用回数:14 パーセンタイル:67.9(Instruments & Instrumentation)高エネルギー重イオン照射に伴い高密度電子励起による固体内原子変位の機構解明を目的として東海研タンデム加速器を用いて各種の高エネルギーイオンビームを用い自己保持カーボン補修によりスパッタリング収量を測定し、また、電流測定法によりイオン照射による放出電子と放出イオン収量の測定を行った。試料は電子構造の異なる種々の酸化物(酸化珪素,酸化マグネシウム,スピネル,ジルコニアなど)であり、照射イオン種(Ni, Ar, Xeなど)と照射エネルギー(60-200MeV)は電子的阻止能を連続的に変化させて照射するために選んだ。スパッタリング測定の結果、電子励起スパッタリングは弾性散乱に基づく計算値に対して最大1000倍大きい、スパッタリング収量は電子阻止能のべき乗に比例する、べき乗の指数とスパッタリング収量は物質依存性があり、収量に関しては酸化物のバンドギャップに関係していることなど電子励起スパッタリングの存在と特性がわかった。電流測定法によりスパッタリング粒子の約10%は正イオンであることがわかった。イオン放出量が少ないことから、電子励起モデルの一つであるクーロン爆発モデルは妥当でないことがわかった。そこでthermal spikeモデルの妥当性とともに、self-trapped excitonモデルの適応性について議論する。
馬場 祐治; G.Dujardin*; P.Feulner*; D.Menzel*
Physical Review Letters, 66(25), p.3269 - 3272, 1991/06
被引用回数:24 パーセンタイル:78.27(Physics, Multidisciplinary)固体アルゴン及びクリプトンからのAr、Ar、Ar及びKrイオンの電子衝撃脱離(ESD)挙動を10~120eVの照射エネルギー範囲で調べた。脱離に必要な照射エネルギーのしきい値は、Ar及びArで24.2eV、Krで30eVであった。またArはArの生成に対応する84eVにおいて初めて脱離する。Arの脱離では、24.2eV、25.4eV、34eV、50eVに共鳴構造が認められた。前者2つの構造は、表面及びバルクに存在する隣接する2原子のエキシトン生成に対応する。25.4eVの脱離ピーク強度の厚み依存性を調べたところ、バルクのエキシトン対の拡散は、100層以上にも及ぶことが明らかとなった。